料理と器:杉江保枝

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DATE:
2008.11.15

『大根の皮の柚子炒め』

●大根の煮物をすると余ってしまう皮。以前にも切り干しにしてハリハリ漬けにするといったレシピを紹介したことがありますが、今回は柚子風味の塩炒めにしてみました。皮はそのまま使うのではなく、一日日干しにしてから調理しました。その方が甘味や旨味が出て、歯ごたえも良くなります。何となくひなびた、山菜にも似た風味も何とも言えぬ味わいです。日干しにしたことで水分が飛んでいますので、その分、やや弾力に富んだ仕上がりになります。ごま油を使ってじっくり炒め、塩で味付け、仕上げに白ごまと、柚子一個分の皮の千切りをたっぷり加えて出来上がり。ちょっとナムル風の味わいで、お酒にもピッタリ。良く咬んで食べるので、健康にも良さそうです。一度お試しください。
用意するもの(概略)
  • 大根の皮1本分
  • 柚子1個
  • 白ごま小さじ3
  • ごま油大さじ1
  • 塩小さじ2
  • だし汁小さじ3

一口メモ

●大根の皮はそのまま使用してもいいのですが、日干しにしてしんなりしたところを使った方が、旨味が出るようです。天気の良い、良く乾燥した日に、干物ネットなどを使って干してください。すぐに調理しないなら、そのまま数日干し続けても構いません。一日程度なら、軽く水洗いしただけで包丁で切れますが、乾きすぎている場合は、水でしっかり戻して使用しましょう。たったこれだけの手間ですが、生のまま使った場合とは、ひと味もふた味も違う料理が生まれます。試してみてください。

作り方
  1. 大根の皮は、干物ネットなどを使い、一日日干しにする。
  2. 1の皮を軽く水洗いしたあと細切りにする。柚子は皮を剥いて千切りにしておく。
  3. フライパンを火にかけ、ごま油大さじ1を引き、細切りにした大根の皮を中火で炒める。焦がさないよう注意しながら、木べらを使ってじっくりと炒めること。
  4. 大根に火が通ったらだし汁小さじ3を加えてさらに炒め、塩小さじ2で味付け。さらに白ごま小さじ3を加えてざっくり混ぜ、仕上げに千切りにした柚子の皮を加えて全体を混ぜ合わせたら出来上がり。
  5. 器に盛って卓に供する。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●柚子の皮を贅沢に使っていますが、皮の裏側の白い部分が多いと苦く感じます。苦味が嫌いな方は、柚子の皮を剥く際に、白い部分が混じらないよう最新の注意を払いましょう。また、ごま油大さじ1はやや多めの分量。これは鉄製のフライパンを使用しているためで、テフロン加工のフライパンなら、もう少し少なくても大丈夫。また、油を気にかける方は、だし汁の分量を調節して、上手に大根に火を通してください。味付けは塩のみ。隠し味で醤油をたらしてもいいかな、とも思いますが、色合いを考えると、塩だけの方がきれいに仕上がります。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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