料理と器:杉江保枝

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DATE:
2008.01.04

『プティ・サレと大根のスープ煮』

●プティ・サレは塩漬けにした豚肉。豚バラのブロックを粗塩とハーブで一晩漬け込み、流水で軽く塩抜きしたあと、暖かい場所に一時間ほど放置して熟成させます。冷蔵庫に入れておけば、10日ほどは熟成が進みながら美味しく食べられますので、保存食としても便利。しかも銘柄豚や黒豚でなくても味がぐっと良くなり、普段の煮物もグレードアップしますから、この方法を覚えておくととても便利です。今回はこのプティ・サレと大根を合わせて熱々の煮物を作りました。使用するスープはプティ・サレを下ゆでしたゆで汁。人参やタマネギも加えてじっくり煮出したスープですので、味は抜群。大根の代わりにポテトや人参、キャベツなどを加えれば、豚肉を使ったポトフ=ポテに。豚の旨味が凝縮されたひと品。どうぞお試しあれ。
用意するもの(概略)
  • 豚バラ肉固まりで1.2?
  • 粗塩350g
  • 砂糖100g
  • ローリエ8枚
  • 胡椒小さじ3
  • ローズマリー3枝
  • 水適宜
  • 人参1本
  • タマネギ1個
  • ニンニク1片
  • 下ゆで用にローリエ2枚
  • 大根1本
  • 大根のあく抜き用に米のとぎ汁適宜

一口メモ

●手間がかかると言えば手間がかかる料理ですが、作り方は至って簡単。時間さえあれば誰でも失敗することなく美味しいスープ煮が出来上がります。材料には粗塩と表記しましたが、さん生家では、実際にはかなり粒の粗い岩塩と細粒の塩を半々に混ぜて使用しています。日本で採れる海の塩より、海外産の岩塩の方が肉に馴染みがいいようです。漬け塩に加えるハーブは、とにかく手元にあるものを使いました。クローブやフレッシュタイムを使用するのが本格的なようですが、たまたま手元になかったので、今回は庭に生えているローズマリーと、手元にあったローリエ、皿に粗挽きの胡椒を加えてあります。お好みで工夫なさってください。なお、漬け塩は必ずゴミ箱に捨てること。シンクに流すと排水パイプを痛めるので要注意です。

作り方
  1. プティ・サレを作る。粗塩300g、砂糖100g、粗挽き胡椒小さじ3、ローリエ8枚、ローズマリー3枝を良く合わせる。
  2. バットや保存容器に、1の漬け塩を半量ほど敷き詰め、豚のバラ肉1.2キロを入れ、残りの半量を上からかけて、冷蔵庫で24〜48時間漬け込む。
  3. 漬け込んだ豚肉を取り出し、流水で5分ほど塩抜きする。なお漬け塩は排水パイプを痛めるので、必ずゴミ箱に捨てること。
  4. 塩抜きした豚肉を、キッチンペーパーなどで余分な水分を取ったのち、暖かく乾燥した場所に1時間ほど放置すればプティ・サレの出来上がり。冷蔵庫で10〜15日ほどは保存できる。
  5. 出来上がったプティ・サレから必要な量を切り取り、下ゆでする。鍋に肉を入れ、たっぷりの水を加え、ざく切りにした人参、タマネギ、軽くつぶしたニンニク、ローリエ2枚を加え、火にかけ、1時間ほど茹でる。
  6. 茹で上がったら肉だけを取り出し、スープは一晩放置する。一晩たつと表面に油が浮いて固まるので、これを全て取り除く。油を取り除いたらスープ濾しで濾す。
  7. 大根は3センチほどの厚さに切って皮を剥き、面取りした後、米のとぎ汁で茹でてあく抜きする。必ず竹串が通るまで火を通す。竹串が通るようになったら火から下ろし、流水にさらして表面についたアクを取り除く。
  8. 下ゆでした5の肉を食べやすい大きさに切り、フライパンで焼き色をつける。焼くと油が出てくるので、キッチンペーパーなどで油を拭き取りながら焼くと良い。
  9. 鍋に焼き色をつけた8の肉、7の大根、6で濾したスープを入れ、火にかけ、コトコト煮込む。
  10. 全体に味がしみこんだら出来上がり。スープにはプティ・サレから滲み出た塩分があるので味付けは基本的には不要。ただ、足りないようなら塩・胡椒で調えて、卓に供する。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●プティ・サレは10〜15日は保存が利きますので、必要な分だけ切り取って使用します。大根の他に、ポテトや人参、キャベツなどと煮込んでも美味しく出来上がります。下ゆでの際に人参やタマネギを使用しているので、豚の旨味と野菜の旨味が凝縮されたスープは絶品。体にやさしい味に仕上がります。なお、スープの量が思いのほか少なかった場合は水を加えても結構ですが、二番ダシを加えるとさらに旨みが加わって、美味しく出来上がります。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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