料理と器:杉江保枝

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DATE:
2007.05.18

『温やっこ』

●冷や奴ではなく「温奴」です。簡便な湯豆腐と言ってもいいかもしれません。お豆腐が食べたいけれど、冷や奴を食べるにはちょっと肌寒い、とは言え湯豆腐は暑いよな〜、というような日にお勧めです。何のことはない、鍋で湯豆腐を作って器に盛っただけのこと。鍋ごと卓に供してもいい訳で、大した技術はいりません。コツは豆腐を水からとろ火で煮ること。熱い湯に豆腐を入れるのではなく、冷たい状態で火にかけ、時間をかけて加熱することで、昆布だしの味をしみこませます。お好みの薬味でいただきますが、奴や湯豆腐同様、別皿に薬味を取ってもいいし、上から薬味や醤油をぶっかけて、スープ風にしてもなかなかのものです。豆腐が煮上がった時点で青菜を入れて軽く加熱すれば彩りになります。今回はクレソンを使用。これがまた何とも言えず美味。ぜひお試しを。
用意するもの(概略)
  • 豆腐適宜
  • ダシ昆布少々
  • 水適宜
  • クレソン適宜
  • お好みの薬味適宜

一口メモ

●豆腐は木綿でも絹でも構いません。水から加熱するこの方法だと、絹も崩れにくく扱いが楽です。水から加熱する場合、豆腐をあまり小さく切ってしまうと「す」が入ることがあります。大きめに切るのがコツ。場合によっては豆腐一丁丸ごと加熱しても構いません。あくまでもとろ火で、そして沸騰させないことが肝心です。沸騰させてしまうと、また「す」が入ってしまいます。

作り方
  1. 豆腐は大きめに切る。
  2. 鍋にダシ昆布と豆腐を入れ、豆腐がかぶるように水を入れ、ふたをしてとろ火にかける。
  3. 時間をかけてゆっくりと加熱し、沸騰する直前にふたを取り、器に豆腐とダシ昆布を盛りつける。
  4. 沸騰し始めた鍋にクレソンを入れて軽く加熱し、3の器に彩りに盛りつけ、さらに汁を加えて卓に供する。好みの薬味を添える。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●湯豆腐の作り方はさまざまですが、さん生家では、この「温やっこ」同様、水から加熱する方法を取っています。この方が昆布だしの味が豆腐によく染みて、やや味の悪い豆腐でもかなり美味しく食べられるからです。湯豆腐の時は、たいてい豆腐一丁を切らずにまるまる使います。ちょっと時間が掛かりますが、ことのほか美味しい湯豆腐が出来上がります。薬味はネギやかつお節、柚子こしょう、七味等々、お好みで。今回は彩りにクレソンを添えていますが、ワカメや他の野菜で代用しても構いません。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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