料理と器:杉江保枝

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DATE:
2007.04.26

『若竹煮』

●今週のおもてなし料理は、春の定番『若竹煮』。筍のシーズンも残すところあと僅か。そう言えば今年は若竹煮を食べていなかった、と急に思い出し、早速作って食べた次第。筍はもちろんですが、わかめも今が一番美味しい季節です。じっくり味を含ませた筍に、さっと煮上げたわかめを合わせて口に入れれば、相性ピッタリの美味しさに思わず笑みがこぼれます。両方の素材の持ち味を生かし、色よく仕上げるためには淡口醤油を使うことが多いようですが、普段は淡口醤油自体をあまり使わないさん生家では、塩とたまり醤油で味付けします。丁寧に引いたダシを使って、ほどよく上品な味に仕上げます。この季節ならではの味をぜひ楽しんでください。
用意するもの(概略)
  • 筍(小・数本)
  • 生わかめ(塩蔵タイプ)適宜
  • ダシ適宜
  • 塩小さじ1〜2
  • 醤油小さじ1程度
  • 酒大さじ1程度
  • みりん大さじ1程度

一口メモ(筍のあく抜きについて)

●筍はアクを抜くのが一番の手間。それもできるだけ新鮮なうちにあく抜きすることが美味しさのコツです。

〈あく抜きの方法〉根元の硬い部分を落とし、先端を斜めに切り落とし、タテに包丁目を入れ、表の皮を数枚剥いて大鍋に入れ、たっぷりの水とぬか少々を加えて茹でる。根元に竹串が刺さるほど柔らかくなったら火から下ろし、良く洗ってまわりの硬い皮をのぞき、1〜2時間水にさらす。圧力鍋を使っても良い。

米ぬかがなければ、米のとぎ汁を使用しても構いません。また、あく抜きが面倒な方は、あく抜きが済んでいる商品を買ってきても構いませんが、やはり自分であく抜きをしたものの方が香りが高く仕上がります。

作り方
  1. 筍は米ぬか等を使ってアク抜きをする。(あく抜きの方法は一口メモを参照)
  2. あく抜きが終わった筍の皮を取り除き、食べやすい大きさに切る。皮の柔らかい部分(姫皮)は木の芽和えやお吸い物、味噌汁の具に使用できる。
  3. 2の筍を鍋に入れ、出しをひたひたに加えて火にかけ、沸騰したら浮いてきたアクを取り、酒、みりんを加え、再度沸騰してから塩、たまり醤油で味付けする。塩は小さじ1/2程度からはじめ、味見をしながら量を増やして行き、もうひと味というところで醤油をほんの少々加える。さらに味見をして甘いようなら塩で調節。但し、あまり濃い味にすると煮上がりがしょっぱくなり、筍やわかめの持ち味がなくなるので注意。落としぶたをして弱火で煮上げる。筍に醤油の飴色がほどよく染みれば煮上がった証拠。
  4. 生わかめは塩をざっと洗い流して水につけ、1分ほど戻したあと、食べやすい大きさに切っておく。
  5. 煮上がった筍を器に盛りつける。残った煮汁を再度火にかけ、沸騰してきたら4のわかめを加えてざっと煮上げて筍に添えて盛りつけ出来上がり。あれば木の芽をあしらうと一層美味しい。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●味付けはあくまで品良く、濃い口にならないようにするのが秘訣です。淡口醤油を使用すれば比較的簡単にできますが、淡口醤油がない場合は塩を使います。この塩もケミカル塩では味が台無しになりますから、ミネラル分の多い質の良い塩を使うことが大切です。ミネラル分が多い塩は甘味があり、ふくよかな味わい。さらにたまり醤油少々を加えることで色味をつけ、味をまろやかに仕上げます。もちろんダシも丁寧に引いたものを使うのがベスト。面倒だという方は市販のダシの元でも構いませんが、なるたけ天然成分のものをお使いになるようおすすめします。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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