料理と器:杉江保枝

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DATE:
2006.08.04

『冬瓜の甘露煮』

●夏に美味しい冬瓜を、懐石料理の仕上げに出てきそうな上品なデザートに仕上げました。味付けに使用しているのは蜂蜜とレモン汁、グラニュー糖。香り付けに生姜の薄切りを数枚加えて一緒に煮てあります。歯触りや舌触りはりんごの甘煮によく似ていますが、そこは冬瓜。夏の草原を思わせるようなかすかな青臭さがあり、レモン汁の酸味と生姜の香りが何とも爽やかです。砂糖の量を抑えてありますので、口中にしつこい甘さが残らず、さっぱりといただけます。良く冷やして召し上がれ。酒の途中で箸休めを兼ねてちょっとつまむのも、楽しかもしれません。珍しい冬瓜のデザート、ぜひお試しください。

用意するもの(概略)
  • 冬瓜1/8カット
  • 水400cc
  • 蜂蜜60g
  • グラニュー糖60g
  • レモン汁60cc
  • 生姜のスライス4〜5枚

一口メモ

●煮物やあんかけなどに重宝する冬瓜ですが、今回はデザートに変身。冬瓜は煮込むと実がやや青みがかって透き通り、見た目にも涼しげなので、夏の食卓にはぜひ載せたい食材の一つ。加えて味は淡泊なので、どのような味付けにも馴染むので、ちょっと一工夫して甘露煮に仕上げてみました。甘露煮といっても甘さはあくまでも控え目に。蜂蜜をやや多めに使い、レモン汁も入れて爽やかに仕上げてあります。生姜のスライスを加えているところがミソ。生姜の香りが口中に広がり、涼しさをより一層引き立ててくれます。

作り方
  1. 冬瓜は食べやすい大きさに切り分け、皮を剥いて面取りをしておく。
  2. 鍋に1の冬瓜と水400cc、分量のグラニュー糖、蜂蜜、レモン汁、生姜のスライスを加えて弱火にかける。オーブンペーパーなどで落としぶたをし、冬瓜が透き通るまで焼く30分ほど静かに煮込む。
  3. 冬瓜が透き通ったら火を止め、そのまま放置して冷ます。
  4. 十分に熱が取れたら汁ごと保存容器に入れ、冷蔵庫で良く冷やして出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●盛りつける際には、洋風にミントの葉などを飾ってもいいかもしれません。よく冷えたハーブティーや、冷たい抹茶などと共に食べれば、ちょっとした贅沢気分。甘酸っぱい汁を、写真では盛りつけてありませんが、これもまた暑さにうだる身体には嬉しい味。夏場は栄養のバランスはもちろんですが、味付けや見た目にも気を配って、暑さを乗り切る食べ物を心がけたいもの。時には甘味を取り入れるのも、夏バテを防止するのにはなかなか効果的です。レモン汁のクエン酸が、疲れた身体を優しくケア。ぜひぜひ一度お試しください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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