料理と器:杉江保枝

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DATE:
2006.04.28

『新じゃがのバター煮』

●まだ若く貧乏な学生時代、動物性タンパク質をとりたいという気持ちはあっても肉は買えず、それでも何とか気分だけでも、と思って編み出した料理です。ご存じのようにバターとじゃがいもの相性はバッチリ。またバターと醤油というのもなかなかの組み合わせ。この三種類を合体させて、ちょっぴりこってりバター風味の煮物に仕上げました。最初にじゃがいもをバターで炒めるので調理時間も短縮。しかも煮くずれしにくいので安心です。出来上がりはほくほくでじゃがいもの甘味とバターの香り、そしてしょうゆ味が程良く混じって何ともいえない美味しさです。今回は新じゃがを使って季節も演出。ぜひ一度お試しください。

用意するもの(概略)
  • 新じゃが0.5キロ
  • バター30g
  • だし汁250cc
  • 酒30cc
  • みりん30cc
  • 醤油40cc

一口メモ

●皮も食べられる新じゃがですが、よほど新鮮なものでないとやはりややえぐみが残ります。また水洗いしながらたわし等でこすって皮を剥く方法もありますが、やってみるとわかる通り、これは案外手のかかるもの。ある程度皮をこそぎ落としたら、包丁を使って薄く皮を剥く方が時間を短縮できると思います。包丁に自信のない方は、もちろん水洗いしながら皮を剥いても結構です。包丁を使う場合はできるだけ薄く剥くよう気を配ってください。新じゃがといっても時に芽がありますので、これも丁寧に取るようにしてください。

作り方
  1. じゃがいもは洗って皮を剥く。
  2. やや深めの炒め鍋を熱してバターを引き、バターが半分ほどとけたところで1のじゃがいもを加えて中火で炒める。コロコロと転がしながら、全体にバターを馴染ませるように炒める。
  3. じゃがいもにバターが馴染み、表面が透き通った感じになってきたら、だし汁を一気に加える。
  4. 強火にして出しが沸騰してきたら酒を加え、一度煮きってからアクを丁寧にすくい、みりんを加え、再度煮きってから醤油を加える。
  5. 火を弱め、クッキングシート等で紙の落としぶたを作ってかぶせ、20〜25分ほどことことと煮込む。調味料が全体に回るよう、途中で何度かコロコロと転がして均等に色が付くようにする。
  6. じゃがいもに竹串を刺してすうっと通るようなら出来上がり。器に盛りつけて卓に供する。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●最初にバターで炒めることで、煮くずれが防げて、しかも煮込む時間が短くて済むのが嬉しいところ。最初の炒めが肝心なので、今回は煮込み鍋ではなく、テフロン加工のやや深めの炒め鍋を使用しました。口が広い分、調味料が全体に被さらない弱みがありますが、ときどき転がして均等に行き渡るようにすれば問題はありません。落としぶたはクッキングシートやオーブンシートを利用します。紙は四つ折りにし、鍋の大きさに合わせて丸くカットして真ん中に空気穴をあけて作ります。ほくほくの新じゃが煮。ぜひ今晩のおかずにいかが?

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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