料理と器:杉江保枝

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DATE:
2006.04.01

『牛スネ肉と新ごぼうの煮込み』

●つい先日、お気に入りのビストロで『牛すじ肉とごぼうの煮込み』を食べました。とても美味しかったのでちょっぴり真似て作ってみたのがこの料理。すじ肉は扱いが面倒なので、シチュー等に使われるスネ肉を使用。すじ肉のあのトロッとした旨味はありませんが、これでも雰囲気だけは味わえます。小玉ネギや人参を入れた分、見た目はシチューのような趣になってしまいましたが、トマトピューレ等を使用していないので、味はシチューよりずっとさっぱりしています。ワインのつまみにはもちろんのこと、パンと一緒に食べてもいいし、ご飯との相性もバッチリです。煮込み料理は作ったその日に食べるより、一晩寝かせた方が美味。時間のある週末に調理し、日曜は朝からこれで楽しむのも一興かと思います。ぜひお試しください。

用意するもの(概略)
  • 牛スネ肉650g
  • 粗塩少々
  • 玉ネギ大1個
  • ニンニク1片
  • オリーブオイル適宜
  • 水800cc
  • 赤ワイン100cc
  • 顆粒スープの素ティースプーンに2〜3杯
  • ローリエの葉1枚
  • 塩・胡椒適宜
  • 新ごぼう1袋(5〜7本入り)
  • 小玉ネギ7〜8個
  • 人参中2本
  • デミグラスソース1缶
  • 飾り用パセリ

一口メモ

●今回は牛スネ肉をい使用しましたが、牛バラ肉のかたまりを使ってもとても美味しく仕上がります。扱いが面倒でないという方は、ぜひすじ肉の使用をおすすめしますが、手軽に作るならやはりスネ肉やバラ肉の方がいいでしょう。味付けはあまり巧まず、スープの素と塩。香辛料も胡椒とローリエしか使っていませんが、肉の味と新ごぼうの香りがストレートに出て、とても美味しく食べられます。すじ肉やバラ肉は長時間煮込むとすぐにバラバラになってしまいますが、これがまた何ともいえず味わい深いもの。型くずれは気にせずにじゃんじゃん煮込んで食べてください。

作り方
  1. 牛スネ肉は7〜8センチ角に切り、全体に粗塩をまぶして5分おく。
  2. 圧力鍋に1を入れ、水をひたひたにして強火にかける。重りが回ったら火を弱めて20分加熱。火を止めて15分放置する。(ここまでが下ゆで)
  3. 下ゆでが終わった肉は流水でサッと洗ってアクを流し、キッチンタオルなどで余分な水分を取っておく。
  4. 肉を下ゆでしている間に、玉ネギ大1個は櫛形に薄くスライス。ニンニク1片は包丁の腹を使ってまな板でつぶしてから粗みじんに切っておく。
  5. 2で使った圧力鍋を一度洗って改めて火にかけ、オリーブオイルを引いて、4のニンニク、玉ネギを丁寧に炒める。
  6. 玉ネギが透き通ってきたら、水800cと赤ワイン100cc、顆粒スープの素、ローリエを加え、さらに3の肉を加え煮立たせる。
  7. 6が煮立ってきたら丁寧にアクをすくい、軽く塩・胡椒してから一度火を止め、蓋をして再度強火にかける。重りが回ったら15分加熱。火を止めたら15分放置する。
  8. 圧力鍋を放置している間に野菜を切る。新ごぼうは乱切りにして5分ほど水にさらす。長時間さらすと風味が落ちるので注意。小玉ネギは皮を剥き、大きいようなら二つに切る。人参は皮を剥いてシャトーふうに面取りをしておく。
  9. 7の鍋の蓋を開け、8の野菜を加えて火にかける。このとき、水分が足りないようなら足す。野菜に火が通ったらデミグラスソースを加え、よく混ぜ合わせ、弱火で15分ほど煮込む。
  10. 最後に塩・胡椒で味を調えて出来上がり。一晩おいてから食べるとさらに美味しい。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●肉を煮込む際に炒めて入れた玉ネギとニンニクは、ほとんどスープにとけてしまいます。そこで歯触りを楽しみたい新ごぼうや人参などはあとから入れるようにします。その方が香りも新鮮で、いかにも春の味覚を堪能できます。煮込み料理は面倒ですが、煮込んでいる時間が長いだけで、それほど手間がかかっているわけではありません。お時間がある時にぜひトライして、ちょっぴり贅沢な食卓を演出してみてください。また、今回はつけ合わせに庭のパセリを添えましたが、茹でた菜花などを添えれば一層春の香りが満喫できます。この季節ならではの洋食を、楽しんでください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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