器:杉江保枝

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DATE:
2005.10.28

『豚タンの味噌漬け』

●牛タンの高騰に伴い、最近人気の高い豚タン。牛タンよりもかなり小ぶりですが、味はなかなかのもの。シチューなどの煮込み料理にもお勧めですが、今回ご紹介するのは酒のつまみにぴったりの味噌漬け。以前ご紹介した豚の味噌漬けのタンバージョンでもあります。豚の赤身と違ってややクセのあるタンを使用している分、作り方は少々ワイルドに。ほのかに香る山椒の風味がアクセントです。下煮をしっかりしてありますので、肉質はどちらかといえば柔らかめ。味噌がじっくりとしみこんだ濃厚な味わいが特徴です。柔らかいサラミソーセージというとわかりやすいかも。ワインから日本酒、また焼酎にも合いますので、ぜひお試しを。冷蔵庫で数日持ちますので、作り置きをしておくのもいいかもしれません。

用意するもの(概略)
  • 豚タン2本(約600g)
  • 粗塩適宜
  • 米ぬか少々
  • 水適宜
  • 味噌適宜
  • 山椒粉適宜

一口メモ

●以前ご紹介した豚の味噌漬けは、なるべく上品な味に仕上げたかったので、味噌を巻くときにガーゼを使用しました。今回は豚タンということで、ややクセがあり、脂っぽい部分もあるので、直接味噌に漬けてワイルドに仕上げてみました。味噌だけでも美味しくつかるのですが、山椒の風味をプラスすることで、さらに豚タンの味が引き立ちます。山椒はやや多めに使っても大丈夫。口中にほのかに香りが広がり、何とも楽しい一品になります。豚タンの下ゆでには圧力鍋を使用していますが、もちろん普通の鍋を使っても結構です。ただし、その場合は火が通って柔らかくなるまでに時間がかかりますので、なるべく圧力鍋をお使いになることをお勧めします。なお、下ゆでの時間等に関しましては、圧力鍋の使用説明書なども併せてお読みになり、参考になさってください。

作り方
  1. 豚タンは表面にやや多めの粗塩をすり込み、10分ほどおく。
  2. 圧力鍋に1の豚タン、豚タンがかぶる程度の水を入れ、米ぬか少々を加えて火にかける。重りが回り始めたら25分加熱。火を止め、自然放置して冷ます(10分以上)。
  3. 2が冷めたら豚タンを水洗いする。周りに付いたアクと共に、余分な脂肪を取り除き、さらに表面の白い皮を剥く。周りがキレイになったらキッチンタオルを敷いたバットに取り、水分を切る。
  4. 平らな場所にラップを広げ、ラップの上に味噌を薄く敷きのばす。豚タン全体を包める程度の面積にのばし、表面全体に山椒の粉をふる。
  5. 4の中央に豚タンを置き、海苔巻きを巻く要領で全体に味噌が巻き付くようにラップで巻く。その上からさらにラップをし、空気が入らないよう押さえて冷蔵庫で一晩寝かせる(十二時間程度)。
  6. ラップを外し、豚タンの表面から味噌を払い、軽く水洗いして余分な水分を切る。
  7. 薄切りにして器に盛りつけて出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●豚タンの下ゆでには、米のとぎ汁や米ぬかを使うと肉がやわらかく仕上がります。実際に扱ってみるとよくわかりますが、タンの下部には余分な脂分がかなりあり、下ゆでするとこれがぽろぽろと自然に取れてきます。この余分な脂分と、表面にある白い皮は捨ててしまいます。下ゆでを念入りにしておけば、皮はスルリとむけます。他にも筋っぽいところなどがあったら、下ゆでしたあとの水洗いの段階で丁寧に取り除いておきましょう。ワインや日本酒、あるいはニンニクなどで下味をつけるのも一興ですが、今回はごくシンプルに味噌だけを使用して味を付け、山椒で香りを加えてあります。豚タンは値段もお安いので、ぜひぜひ一度お使いになってみてください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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