器:杉江保枝

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DATE:
2005.07.01

『ささみの葛巻と冬瓜の冷製・銀あん仕立て』

●夏に美味しい冬瓜を、葛巻にした鳥のささみと共に銀あんでいただきます。冬瓜もささみももちろん銀あんも、冷たく冷涼を呼ぶ一品。ささみの葛巻はお手軽に片栗粉を用い、身の周囲に薄い膜を施し、つるんとした舌触りとのどごしを楽しみます。じっくりとダシで煮込んだ冬瓜にもよく味が染みており、さらに濃いめのダシで作った銀あんが心地よいハーモニー。それぞれ丁寧に料理しなければならないのでやや面倒ですが、蒸し暑い夜にはこんな料理が食卓に並ぶとうれしいものです。冷たい吟醸酒などやりながら食せばちょっとした料亭気分。やはり夏の定番であるミョウガやネギを添えてお召し上がりください。

用意するもの(概略)

 冬瓜の煮物

  • 冬瓜1/4個
  • だし汁350cc
  • みりん40cc
  • 塩小さじ1.5
  • 醤油小さじ1/2

 ささみの葛巻

  • ささみ4本
  • 塩適宜
  • 日本酒少々
  • 片栗粉適宜
  • 湯適宜
  • 氷水適宜

 銀あん

  • だし汁300cc
  • みりん大さじ1
  • 塩小さじ1
  • 追いがつお用に鰹節ひとつかみ
  • 片栗粉小さじ1.5

 薬味

  • ミョウガ
  • ネギ少々

一口メモ

●銀あんでいただく料理ですが、冬瓜にもささみにもきちんと味が付いていることが美味しさの秘訣です。ただ、味が濃すぎると銀あんと喧嘩になってしまいますから、味付けはあくまでも控えめに。その分、冬瓜には良質のだしを使って風味を際立たせます。冬瓜の色味を大切にしたいので、みりんと塩で煮込みましたが、最後にほんの少々の醤油を加えることで、味がまろやかになります。

作り方
  1. 冬瓜は皮をむき、種を取り、食べやすい大きさに切り分け面取りをする。
  2. 鍋に冬瓜とだし汁を入れ、火にかけ、沸騰してきたらみりんを加え、さらに沸騰してきたら塩小さじ1.5を加えて10〜15分ほど弱火で煮込む。仕上げにほんの少しだけ醤油を加え、一煮立ちさせたらそのまま冷まし、熱が取れたら汁ごと保存容器に移して冷蔵庫で良く冷やす。
  3. ささみは全体に塩をふり、酒少々を振りかけて5分ほどおき、全体に片栗粉をまぶす。
  4. 鍋に湯を沸かし。3のささみを茹でる。火が通るまで約3分ほど。火が通ったら氷水にとり、熱が取れたら氷水から引き上げて冷蔵庫で良く冷やす。
  5. 濃いめにとっただし汁300ccを鍋に入れて火にかけ、沸騰したらみりん大さじ1を加え、さらに沸騰してきたら塩小さじ1を加える。
  6. 風味を強くするために5に追い鰹をする。沸騰している5の鍋に鰹節ひとつかみを入れ、一煮立ちしたら火を止め、鰹節が鍋底に沈んで汁が安定したらこし器でこす。
  7. こした汁を再び火にかけ、沸騰したら、同量の水で溶いた片栗粉でとろみをつける。
  8. 7の銀あんも冷蔵庫で良く冷やしておく。
  9. 器に汁から引き上げた冬瓜、一口大に切り分けた鶏のささみを盛りつけ、銀あんをかける。ミョウガやネギなどをあしらって食卓に供する。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●ささみの葛巻は、本格的に作るならやはりくず粉を使いたいところですが、高価な上に手に入りにくいので、どこの家にもある片栗粉でお手軽に作ってみました。ささみにまぶすときは少し多めに使って全体に満遍なくまぶすといいでしょう。ささみの周囲に薄い膜ができ、これが食べるときに舌に何とも心地よく感じられます。ただ茹でたり酒蒸しにするだけでなく、こんな一工夫があると食事も楽しくなりますね。

●銀あんに使うだしは冬瓜のだしより濃いめにとってください。みりんと塩で味を付けた後、さらに風味を増すために追いがつおをします。これが味の決め手になりますから、面倒がらずにやってみてください。冷やして用いるので、とろみをつけすぎるともったりしておいしくありません。程良いとろみを心がけましょう。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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