器(中央):杉江保枝

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DATE:
2005.04.03

『白身魚のガーリックオイルがけ』

●先週に引き続き、生の魚を洋風に仕立てました。こちらは白身の刺身に塩・胡椒をし、熱々のガーリックオイルをかけたもの。今回は目鯛を使用しましたが、真鯛やヒラメでも結構です。これからの季節ですとスズキが特におすすめです。スズキは身が柔らかいため、洗いにして身を引き締めるとより一層美味しくいただけますが、これもその原理で、オイルによって表面に軽く火が入ることで身が引き締まり、ただ生で食べるよりずっと味わい深くなります。カリカリに炒めたニンニクが香ばしく、オリーブオイルの風味を引き立てます。白ワインから赤ワイン、日本酒にも合います。魚の味がしみ出したオイルをパンに付けて食べるのも楽しみでの一つです。
用意するもの(概略)
  • 白身魚(今回は目鯛を使用)刺身用
  • ニンニク
  • 塩・胡椒
  • オリーブオイル
  • あさつきまたは小ネギ

一口メモ

●単純な料理なのであまり説明する必要もないようです。ニンニクを炒めるときは火は中火と強火の間くらい。強すぎるとニンニクが焦げてしまいますし、油の温度が高すぎると魚に火が入りすぎて生の歯ごたえがなくなってしまい、せっかくの料理が台無しに。逆に火が弱いと油の温度があまり上がらず、火の通りが中途半端になるため、魚をかえって生臭くしてしまいます。油をかけた瞬間、ジャーっと音が立てばOKですが、次の瞬間には音が消えることが肝心です。音が続いたら火が入りすぎた証拠。とは言え、かなり適当な料理なので、それほど深く考えなくても多分大丈夫だと思います。

作り方
  1. 白身魚は薄切りにし、皿にきれいに敷き詰め、上から塩・胡椒を振りかける。
  2. ニンニクは薄くスライスする。
  3. 熱したフライパンにオリーブオイルを多めに入れてニンニクを炒める。オイルが多いので、炒めると言うより素揚げにする感じで。ニンニクがきつね色になったら、熱いまま1の魚に満遍なくかける。全体にあさつきまたは小ネギの小口切りを散らして出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●白身は今回は目鯛を使用しましたが、他の魚でもOKです。メインページでもコメントした通り、春先から夏にかけてのおすすめは何と言ってもスズキ。身が柔らかすぎるスズキは、刺身だと歯ごたえがなくて何となく物足りないものです。日本料理だと洗いにして身を引き締めていただきますが、今回のようにオリーブオイルを使ってイタリア風に食べるのも一興です。同じような理由で真鯛もこの料理に向いています。最近テレビなどを観ていると、鯛の刺身をコリコリしていると表現する人がたくさんいますが、鯛は本来ねっとりしたもの。実際に湯引きなどで身を引き締めて食べることも多い魚ですので、熱いオイルでさっと火を入れると甘味が増して美味しくなるのです。オイルをかける前に塩・胡椒をしますが、これも魚の味を引き立てる要素の一つ。特に塩が肝心で、出来ればやや甘味がありワイルドな岩塩を挽いて使ってください。オイルによって甘味が引き出された白身と塩のコラボレーションが、単純だけれど何とも言えない美味しさです。

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