器:杉江保枝

FILE.3

DATE:
2004.09.24

『豚と梨の煮込み・白ワイン風味』

●果物と肉なんて料理になるの? と思われるかも知れませんが、これが実はとても相性がいいのです。例えば「鴨のオレンジソース」はフランス料理の定番ですし、豚とパイン、鶏とレモンなど、組み合わせはさまざまです。今回は今が旬の梨と豚のもも肉を、白ワインたっぷりのスープで柔らかく煮込みました。エリンギやホワイトシメジといったきのこ類も入って秋の香りが満載の一品です。肉汁と果汁が程良く混じり合った汁をパンに付ければさらに美味。秋の夜長、ワインでも飲みながらじっくりとこの味をご堪能ください。
用意するもの(概略)
  • 豚もも肉(固まりで、500~600g)
  • 梨(大1個)
  • 玉ネギ(中2個)
  • ニンニク(1かけ)
  • エリンギ、ホワイトシメジ等お好みのきのこ類
  • 白ワイン1カップ
  • 水2カップ
  • 顆粒または固形スープ
  • 米のとぎ汁(あく抜き用)
  • 塩、胡椒
  • ミントの葉(飾り用)

一口メモ

●煮込み料理は時間がかかるものですが、圧力鍋を使えば案外簡単に出来上がります。今回の所要時間は1時間〜1時間半程度。煮込んでいる間は手が空きますから、サラダ等他の料理を作って、華やかな食卓を演出しましょう。また今回は時間短縮のために肉を角切りにしていますが、固まりのまま、たこ糸で形を整えて煮ても、煮込み時間を20〜25分程度にのばせば大丈夫。その場合は固まりのまま盛りつけ(先に肉だけ取り出して糸は切っておく)、テーブルで切り分けていただきましょう。ちょっとしたパーティー気分が味わえます。

作り方
  1. 豚肉はの角切りにし、粗塩をよくすり込んで10分ほどおく。
  2. 圧力鍋に1の肉を入れ、米のとぎ汁(なければ水と米数粒)をひたひたに加えてフタをし、強火にかける。おもりが回ったら火を弱めて10分加熱し火を止める。そのまま10〜15分放置した後、豚肉を取り出し水洗い。肉が崩れないように注意しながら周りについたアクを洗い流す。
  3. 圧力鍋を一旦洗い、フタをせずに火にかけ、オリーブオイルを敷き、粗みじんにしたニンニクとスライスした玉ネギを、焦がさないようにゆっくりと炒める。
  4. 玉ネギがしんなりして透き通ったら、白ワインと水を加え、顆粒スープをティースプーン2杯程度(商品によって塩加減が違うので、量は適宜加減する。固形のコンソメ等でも可)入れ、軽く塩、胡椒して味を整える。
  5. 梨は皮をむいて四つ割、芯を取って1センチ程度の厚さの櫛形に切る。
  6. 4の鍋を一旦火から下ろし、5の梨の半量と、2の豚肉を加え、フタをして強火にかけ、おもりが回ったら10分加熱。
  7. 火を止めた後15〜20分放置し、フタを取る。再度中火にかけ、残りの梨と、スライスしたエリンギ、小分けにしたホワイトシメジなどお好みのきのこを加えて10分ほどコトコト煮る。
  8. 梨が透き通ったら出来上がり。最後に味を見て、足りなければ塩胡椒で整える。
  9. 皿に盛りつけミントの葉を飾る。
一口メモ番外編

●梨の半量を後から加えるのは、最初に加えた梨は煮込む課程でほとんどが溶けてしまうため。後から加えた梨は煮くずれないように注意し、しゃきしゃきした歯ごたえを多少残す程度に煮込みましょう。この梨と、フォークだけでもほぐれるほど柔らかくなった肉を一緒に食べると、また格別の味わいです。ほんのり甘いスープをパンに付けて食べてもGOOD! 季節の香りあふれる煮込みで、秋の夜長をワイン片手に過ごすのも楽しいですね。