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【さん生さんちの台所】第6号

●台所エッセイ『洗濯しながら男の浮気について考える』

類は友を呼ぶとでもいうのか、私の周りには、共働きで子供のいな
い夫婦が圧倒的に多い。少子化もさもあらんといったところである。
そういう家庭においては、大概夫も妻も自立しているから、家事が
どちらかに一方的に偏るということは少ないように思う。料理も掃
除も片付けも、出来る側がやるのが当たり前。そんな不文律の上に
成り立っている。

それでもまったくの公平というわけにはなかなかいかない。どうし
ても女性の担う役割が大きくなる。さん生も、男としては積極的に
家事にかかわる方だ。腹が減ったら自分で料理の一つくらいするし、
「埃じゃ死なない」と豪語する私を後目にせっせと掃除機をかけた
りもする。仕事が忙しいとついほったらかしにしてしまう汚れた食
器を洗ってくれることも多い。まずはありがたい夫ではある。が、
毎度というわけにいかないのが玉に瑕だ。気が向けばやるが、向か
なければ知らんぷり。それが通るのが日本の家庭である。結局、た
まった家事をこなすのは私の役目となるわけだ。

さて、たいていの家事なら人並みにこなすさん生だが、一つだけ手
を出さないことがある。というより、私が手を出させないと言った
方がいいだろう。洗濯である。洗濯だけは、どうしても夫にさせる
気がしない。何となれば、自分の汚れた下着を他人に洗わせるのが、
ただ単純にいやなのである。

こういう感覚は、女性特有のものなのだろうか。考えてみたら、男
の人は汚れた下着を他人に洗わせてもまったく意に介さない。しか
も、妻に限らず、誰にでも平気で洗わせる。面倒くさくなったらク
リーニングにだって出しかねない。実際に、下着のクリーニングを
受け付けるコンビニのサービスが好評だという。

そりゃ忙しいのはわかるけど、どんなに忙しくても、女性なら自分
で洗うだろう。洗う暇がなかったら新しいのを買う。私も会社勤め
をしていた頃は、山になっている洗濯物をうんざりと横目に眺めつ
つ、コンビニで替えを買ってしのいだものだ。おかげで今では引き
出しが下着で満杯である。

男性の無神経さ、と言ったら言い過ぎだろうか。しかしどうもこう
いう無神経さがあるからこそ、男は平気で浮気に走るんじゃないだ
ろうかと思う時がある。

たとえば、である。さん生がどこかで浮気をしていたとしよう。愛
人とベッドを共にして、意気揚々とご帰宅遊ばした彼は、平気で洗
濯かごにパンツを放り込むわけだ。翌朝、何も知らない私は自分の
下着と一緒に洗濯機に入れ、洗い、干し、片付ける。何も知らない
からいいようなものだが、もし知っていたら、と思うと正直言って
あまりいい気はしない。理屈ではない。何となく生理的に許せない
ように感じるのである。

しかし考えてみると、浮気をしているお父さんの大半は、家のこと
は案外おしなべてかみさん任せなのではないだろうか。下着も臭い
靴下もかみさんに洗わせ、石鹸や歯磨き粉も常に替えがあり、ハン
カチにはいつもアイロンがかかっていて、黙っていても食事とお茶
が食卓に並ぶ。外で他の女といちゃついている割には、かみさんが
いないと生きて行けない・・・。三行半を突きつけられてはじめて、
かみさんのありがたさを知るのである。何とも情けない話だ。

自分のことはすべて自分でやれるようでなければ、浮気をする資格
はない、とまで言い切るつもりはない。だが、家のこと一切を妻に
任せておきながら、外でオイシイことをしている男性は少し考えた
方がいい。男の一人や二人いなくなったところで、少なくとも普段
の生活において、女が困ることは、ほとんどない。どうにも我慢で
きなくなったら、案外すっぱり男を切り捨てられるのは、女の特権
と言うべきなのだろう。

そうなったらそうなったで、愛人に泣き付けばいいとお思いかも知
れないが、どっこいそうはいかないのが世の中である。かみさんだ
って、家事を嬉しがってやってるわけではない。やらなくてすむな
ら、やりたくないと思っているのだ。ましてや自分のことだけでは
ない、夫の分まで、まあ、言ってみればしかたなしにやっているの
だ。そのやりたくない家事をやらなくてすむから愛人はオイシイの
である。とことん面倒見なきゃならない男は結局愛人にだって三行
半を突きつけられるのである。

もっとも、だからといって、後ろめたさから自分で下着を洗うなど
と言い出したりしたら、浮気はバレバレである。男としてはあくま
でも平静を装わなければならないのだから、不利と言えば言える。
それでもなお、私には疑問が残る。男の人は、それで全然平気なの
だろうか?

その点女性は身の始末がいい。収入のあるなしはこの際おくとして
も、自分の口は自分で潤せるし、自分の面倒は自分で見られる。女
性こそ浮気に走るべきではないか、というのは飛躍に過ぎるが、浮
気をする資格というものがあるとしたら、女性の方に相当分がある
のは確かである。もっともそこは女のこと。男ほど無神経ではない
ので、やっぱり浮気なんておいそれとできないのである。




●わらいぐま観察記

▼放送大学視聴のためにこの10月からCSを導入した。はじめは
大して興味はないような顔をしていたさん生だが、やはりそこは生
来のテレビっ子。今ではもう番組の虜である。これだけ楽しんでく
れたら、スカパーも本望だろうなと思う。でも、肝心の視聴料金も
加入料も、チューナーもアンテナも、ぜ〜んぶ私が出しているって
いうのが、どうも気に入らない。せめて毎月の料金の半額でももっ
てくれると嬉しいんだけど・・・。

▼最近猫がなつかない、と嘆くさん生。末っ子のトトは私にべった
りで、まるで犬のように足下にまとわりついて歩く。「爪を切って
やるのも、ノミの検査をするのも俺なのに」と不満そう。家にいな
いからじゃないの? って私はひそかに思ってますが。

●抄録(あとがきにかえて)

▼日曜、高田馬場にある『真菜板』さんの3周年で、さん生が落語
を口演。HPの宣伝もかねて、私も宴会の方に参加させていただく。
久し振りに日本酒を堪能。楽しいひとときだった。

▼月曜からはフル回転でお仕事。一週間に3本も仕事をかかえると
いう売れっ子ぶりに、自分でもびっくり。一週間で1ヶ月分だぁっ!
という感じだが、これで向こうひと月仕事が来なきゃチャラである。
フリーは辛い。

▼水曜日、忙しいのに無理矢理飲みにゆく。どうも、人と会ったり
喋ったりしないとパワーが落ちる性格らしい。少しは充電できただ
ろうか。


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