ホームへ戻る 目次に戻る 掲示板に感想を書く

【さん生さんちの台所】第4号

●台所エッセイ『夫は今日も朝帰り』

このところ夫のさん生は朝帰り続きである。朝帰りというより、昼
帰りというべきか。日も大分高くなった十一時近くになってふらふ
ら戻ってくる。毎度のことだがかなり酒臭い。そのまま隔離したい
ぐらいの臭気である。

結婚して十八年もたてば、しかしこの程度のことでは驚きもしない。
どこでお世話になっていることやら、とさすがに気にならないでも
ないが、無理に聞き出すのも面倒である。下手に聞いたら知らぬ顔
をしてるわけにはいかなくなる。当然のことながら、妻として礼の
一つも述べなければならない。いや、世間一般の常識から言えば、
「夕べはどこに泊まったの?」と夫を詰問し、すぐに電話をかけて
きちんと礼を言うのが筋なのだろう。面倒だなんてほっぽり出して
る私は、きわめて非常識であると言わざるを得ない。

だが、これが毎日続くとなると、そのような心配をするのも何だか
馬鹿馬鹿しくなってくる。夫にすれば、内緒にしたい話もあるかも
しれない。あれこれ聞き出して、礼の電話をかけたところが、万が
一、相手にはまったく覚えのない話だったりした日にゃ、こりゃ収
集がつかなくなる。二時間ドラマの主人公じゃあるまいし、そんな
ことでいちいち幸せを崩壊させたくない。

先日はとうとう丸二日家に戻ってこなかった。昼過ぎに家を出て寄
席に向かい、出番が終わったらそのまま飲みに行き、どこぞで夜を
明かして目覚めたら、知人の葬儀に出なければならなくなったとか
でその足で葬儀に向かい、葬儀に出た後、また寄席に出演し、出番
が終わったらそのまま飲みに行き・・・。せめて二日目は夜明かし
せずに帰ってくれば良さそうなものを、また昼近くに酒臭い息を吐
きながら戻ってきた顔を見たときには、怒るも呆れるも通り越して、
何だかおかしくて笑ってしまった。

もっともだからといって快く家に出迎えるのはさすがに業腹である。
と言って面と向かって文句を言うのも何だか悔しい。
「とっちゃん」
と私は猫に話しかけたものだ。
「知らないおじさんが家に入ってきたから気を付けようね」
留守番組結託の記念すべき朝だった。


●テレビあらさがし

ここ数日目立った言葉遣いの間違い

その壱 日テレの某番組にて。質屋でブランドものや値打ち品の鑑
定に関して「“鼻”が利く」・・・利くのは“目”だと思います。

その弐 フジテレビの某番組にて。私の聞き違いでなければ「墓探
しに戸惑っている」と言っていた・・・まあ、状況にもよりますが、
この場合は「手間取って」いたんだと思うけど。

どちらもナレーションの間違い。しかも生放送ではなく、録画。つ
まり予め録音して完パケにして出したもの。原稿書いた人もひどい
けど、制作者のチェックが甘過ぎ。最近、こういう間違い多すぎる! 
もっとも自分もこの頃ちょくちょく言い間違い、書き間違いをして
いて、人のこと言えないんですが・・・。


●わらいぐま観察記

前号で、正楽師匠に「ブルース・ウィルスに似てる」と言われた話
を書いた。ところでその昔、湯布院映画祭に参加した若き三谷幸喜
氏は、特別上映された『無法松の一生』を見て、さん生は阪妻に似
ていると思ったとか。まさかね、田村正和さんのお父さんに似てる
なんて、こりゃファンが聞いたら絶対に許さない話である。三谷君
はきっと何か大きな勘違いをしていたんだろう。

どうもさん生、このところ大層貧乏らしい。金がないとすぐに顔に
出るのでわかりやすい。しかしここで甘い顔を見せると大変なこと
になる。助けてもらえるとなったらとことんまで寄りかかってくる、
それがあの男だ。用心、用心。

しかし、わかっていて知らぬ顔をするというのも結構疲れるものだ。
自分で言うのも何だが、とっても「男」らしい性格の私。あんまり
しょぼんとなってる彼を見ると、つい、どんと胸を叩いて「私にま
かせなさい」と言いたくて言いたくてしょうがないのである。だが、
言えない。言いたくても言えない。なぜって、実は私も貧乏なのだ。
もっとも、いくら貧乏だからってそういう顔は絶対に見せない。そ
こが彼との大きな違いである。


●抄録(あとがきにかえて)

▼先週はひたすらお仕事モード。連休明けの火曜にクライアントと
打ち合わせ。原稿締め切りが金曜日。水曜はひたすら資料を眺めて
木曜の夕刻から本格始動。金曜午前中にはアップ。我ながらかなり
の超スピード、というより珍しく超勤勉。というわけで土曜は心お
きなく遊ぶことに・・・。

▼土曜日、横松桃子さんのイラスト展へ。アジアンテーストあふれ
る色遣いがとっても良かった。友禅の原画を見ている気分。但し図
柄はあくまでもエスニック。ああいう感じで布地を作ったら面白い
服が出来そう。

▼その後、いつもの焼鳥屋さんに鳩を食べに行く。鳩はとても美味し
かったのだが、途中でなぜか貧血を起こし、危機を感じて帰宅。良
くあることなので気にもとめなかったが、日曜の朝にはさらに悪化。
結局月曜一杯使い物にならず、ダウン。今は火曜の夕刻、やっと人
間らしさを取り戻す。

▼前号、レシピに書いた「粘りが出る」は、「とろみが出る」の間
違い。似たようなもの、と言えば言えるが、「粘り」は美味そうじ
ゃない。じゃが芋だけでとろみを出すのが、あの料理のポイント。
そういう表現方法についても勉強しなければならないな〜、とまた
もや反省。


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14

<<<<前の号へ
次の号へ>>>>

ホームへ戻る 目次に戻る 掲示板に感想を書く