料理と器:杉江保枝

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DATE:
2007.02.24

『のびるのぬた・のびる味噌』

●早いもので春の山菜が店頭に並ぶ季節になりました。先日は百貨店の青果コーナーにのびるを発見。早速買い求めて「ぬた」と「のびる味噌」を作りました。のびるはとりたての新鮮なもののなら生でも食べられますが、流通しているものは辛みもアクも強いので火を通した方が無難。最もポピュラーなのはぬたにして辛子酢味噌で食べる方法でしょう。のびる味噌はさん生家のオリジナル。ネギ味噌のようなものですが、これがまた白いおまんまにはたまりません。ついついごはんをお代わりしてしまいます。もちろんどちらも酒の肴としてもとても美味。作り方も簡単ですので、八百屋さんの店先でのびるを見つけたら、ぜひ作ってみてください。一足早い春の香りが楽しめます。

用意するもの(概略)
  • のびる15〜6本
  • 辛子酢味噌用の味噌大さじ1
  • とき辛子小さじ1
  • 米酢大さじ1
  • 砂糖大さじ1/2(またはみりん)
  • だし汁大さじ1
  • のびる味噌用の味噌大さじ3
  • みりん大さじ1(または砂糖)
  • だし汁大さじ1

一口メモ

●のびるは生でも食べられ、それはそれで野趣溢れる味わいですが、火を通すと辛みが抜けて、山菜とは思えぬ上品な一品に仕上がります。代表的な食べ方と言えばやはりぬたでしょうか。茹でて辛子酢味噌でいただきます。今回は、特にのびる味噌は甘味を控え目にしてあります。甘味が足りないな、と思ったらご自分で加減してみてください。甘味はみりんでも砂糖でもお好きな方をお使い下さい。のびる味噌は練り味噌に刻んだのびるを加えて作りますが、のびるにあまり火が通りすぎるとせっかくの香りや味わいが半減してしまいますので、のびるは最後に入れてさっと混ぜ、後は余熱で火を通すようにして作りましょう。

作り方
  1. のびるは流水で洗いながら表皮を剥き、葉の枯れた部分や痛んだ部分を取り除いて全体をきれいにお掃除し、水から上げたら根の部分を薄く包丁でこそげ取る。
  2. 1ののびるをぬた用と味噌用に二つに分け、ぬた用は根から4〜5センチの部分で切ったものと、葉の部分と分けておく。味噌用は粗く刻んでおく。
  3. ぬた用ののびるを熱湯で茹でる。最初に根の部分を入れ、茎が柔らかくなったら葉を入れ、茹で上がったら水に取る。
  4. 3を水から上げ、葉の部分を4〜5センチの長さに切りそろえ、水気を絞って器に盛りつける。
  5. ぬた用の辛子酢味噌を作る。材料(味噌大さじ1とき辛子小さじ1・砂糖大さじ1/2・酢大さじ1・だし汁大さじ1)を合わせて良く混ぜておく。
  6. のびる味噌を作る。鍋に味噌大さじ3・みりん大さじ1・だし汁大さじ1を入れて火にかけ、ヘラで混ぜ合わせながら弱火で加熱し、ふつふつと煮立ってきたら、2で粗く刻んでおいたのびるを加えてさっと火を通して出来上がり。
  7. 食べる寸前に、盛りつけたぬたに5の辛子酢味噌をかけ、卓に供する。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●一番面倒なのはのびるの扱い方。扱ったことのない方はどうして良いのかわからないかもしれません。表面に薄い皮がありますので、これを洗いながら剥きます。剥いても傷んでいたり、汚れている部分があるようなら、もう一皮剥きますが、あまり剥き過ぎると肝心の中身がなくなってしまうので要注意。ほどほどにやりましょう。根の部分は、あまり汚くないようならそのままでも結構ですが、包丁でさっとこそげるだけでも見栄えが違ってきます。後の調理は比較的簡単。春の風味を、いち早く味わってみてください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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