料理と器:杉江保枝

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DATE:
2006.09.29

『サンマのエスカベーシュ』

●塩釜から美味しいサンマをたくさんいただきました。刺身にして食べ、塩焼きにして堪能し、さんざん食べ尽くしてちょっと飽きたかな〜と思ったところで、洋風にエスカベーシュをこしらえてみました。エスカベーシュは日本で言うところの南蛮漬けのような料理。フレンチではお馴染みのメニューで、ムツや鱈などの白身魚はもちろん、イワシや鰺のような青魚でも美味しく作れます。酢漬けにするため保存が利くので、作り方を覚えておくととても重宝。セロリや人参、タマネギといった野菜がたっぷり摂れるのも嬉しいところ。前菜に、ワインや日本酒のつまみに、またご飯のおかずにもなる万能メニュー。見た目もおしゃれでおもてなしにも最適ですので、ぜひお試しになってください。

用意するもの(概略)
  • サンマ4〜5尾
  • 揚げ油適宜
  • セロリ1本
  • タマネギ1個
  • 人参1/2本
  • ニンニク1片
  • オリーブオイル適宜
  • 白ワインビネガー100cc
  • 果実酢(りんご酢)20cc
  • レモン汁20cc
  • 漬け込み用オリーブオイル100cc
  • 漬け込み用サラダオイル100cc
  • 塩・胡椒適宜
  • クミン小さじ1
  • ローリエ1枚
  • 強力粉適宜

一口メモ

●魚を二度揚げするのがポイント。酢豚なども相ですが、油で揚げた食材を酢やスープで調理する際は、二度揚げすると失敗なく美味しく出来上がります。一度目は低めの温度で全体に火が通るようにし、二度目は高い温度で表面がかりっとなるように揚げます。酢漬けにして何日も放置しますから、表側の衣がはがれず、最後まで風味を損ねないことが大切なので、薄力粉でなく強力粉を使います。強力粉の方が表面が固く揚がります。

作り方
  1. セロリ、タマネギ、人参は細切りにしておく。
  2. サンマは3枚に下ろし、食べやすい大きさに切って両面に塩・胡椒をし、10分ほど置く。
  3. 熱した鍋にオリーブオイルを引き、みじん切りにしたニンニクを炒め、香りが出たところで1の野菜類を加え、塩・胡椒、クミンを振りかけしんなりするまで炒める。
  4. 野菜がしんなりしたら白ワインビネガー100cc、果実酢20cc、レモン汁20cc、ローリエ1枚を加え、沸騰したところで塩・胡椒で味を調え、最後にオリーブオイルとサラダオイルを加えてさらに火を入れる。
  5. 4の漬け酢を作っている間にサンマに強力粉をまぶして油で揚げる。最初は180℃程度の温度で揚げ、一度油を切ったあと、揚げ油の温度を揚げて二度揚げする。表面がかりっとなるように、やや固めに揚げておく。
  6. 揚げ上がったサンマを熱いうちに保存容器に並べ、4のつけ酢を、あつあつのまま上からざあっとかけ、そのまま冷ます。
  7. 6が冷めたら冷蔵庫に保存。翌日には食べられるが、3日目くらいが一番食べ頃。冷蔵庫で数日はもつ。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●あつあつの揚げ物に、あつあつの酢をかけて作るのが、南蛮漬けとの違いでしょうか。両方をあつあつで調理するので、同時進行で作業を行います。手順をよく考えて作るようにしましょう。お酢だけでなく、オリーブオイルも加えるところが特徴。ただ、オリーブオイルだけでは香りがしつこくなるので、サラダオイルと半々で加えてあります。スパイスは塩、胡椒の他にはクミンとローリエを使っていますが、お好みでアレンジしてはいかがでしょうか。クミンのかわりにカレー粉を使うとお手軽に複雑な味わいが作り出せます。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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