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DATE:
2004.11.19

『ふろふき大根』

●今週のもてなし料理は冬の定番『ふろふき大根』です。ふろふきというと、黒ゴマに八丁味噌というイメージが強いようですが、さん生家では常備している白ごまと、いつも味噌汁などに使っているごく普通の赤みそを使用します。もちろん黒ごまや特別なお味噌を使うこともありもしますが、毎日の食事となると家にあるものを使うのが一番。ダシのしみこんだ熱々の大根に、とろ〜り風味豊かなゴマ味噌をかけていただきます。時間はかかりますが、どちらかと言えばお鍋まかせの料理なので、片手間にぱぱっと作れて、忙しい主婦にはとても重宝な一品だと思います。酒のつまみにもよし、もちろんご飯のおかずにもよし。さあ、今夜はぜひぜひふろふき大根で美味しい食卓を囲んでください。
用意するもの(概略)
  • 大根一本
  • ダシ昆布
  • 米のとぎ汁または水に米粒少々
  • 味噌80g
  • 白ゴマ大さじ3
  • 砂糖大さじ1
  • だし汁(かつおダシ)80〜100cc

一口メモ

●ふろふきなど、時間をかけて煮込む料理には、保温性の高い土鍋がお勧めです。さん生家ではふろふきは必ず土鍋で作ります。弱火でも確実に火が通り、しかも加熱が緩やかで、火から下ろした後さめるのも緩やかなので、味付けはダシ昆布だけにもかかわらず、たいへん上品な味に仕上がるのです。

●ふろふきの醍醐味は何といっても味噌。ゴマはとにかく良く擦りましょう。ゴマ味噌の他に柚子味噌も美味。柚子味噌は柚子の皮を擦って味噌と砂糖、ダシで味付けます。挽肉を使ったあんかけにするのもまたなかなかおつなもの。いろいろ試してみてください。

作り方
  1. 大根は5〜6センチ厚に切り、面取りした後、上から3分の2程度のところまで十文字に切り込みを入れる。この切り込みにより味がしみやすくなり、また、食べやすくなる。
  2. 1の大根を鍋に並べ、米のとぎ汁または水に米粒少々をたっぷり入れて火にかけ、大根のあくを抜く。あく抜きの時間は15〜20分。竹串が大根にすんなり通るようになるまで、弱火でゆっくりあくを抜く
  3. 2を火から下ろし、流水で大根を洗う。割れないよう注意しながら、切り込みに入り込んだあくも丁寧に流す。
  4. 鍋にダシ昆布を敷き、その上に3の大根を並べ、大根がかぶるまで水を入れる。落としぶたをして中火にかけ、20〜30分。吹きこぼれないよう注意しながら、ゆっくりと火を入れる。
  5. ゴマはよく炒ってからすり鉢で擦る。ゴマの原型がなくなり、しっとりして油が出てくるまで根気よく擦るのが美味しく作るコツ。
  6. 擦り上がったゴマに砂糖を加え良く擦り混ぜ、ダシを少しずつ加えてのばしてゆく。ダシを半分ほど入れたところで味噌を入れ、さらにダシを少しずつ加えながら、また擦り混ぜる。丁寧に擦れば擦るほど照りが出て美味しく仕上がる。
  7. 煮上がった大根を器に盛りつけ、6の味噌をかけて出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに会わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●大根の皮はなるべく厚く向きましょう。その方が味がマイルドになり、えぐみや苦みが残りません。もったいないな〜と思われる方は、皮を良く洗って千切りにし、刻んだ葉と合わせて塩をし、即席漬けに。また、千切りにした皮をさっと熱湯にくぐらせてざるに広げ、そのまま数日干しておくと切り干しになります。大量ではありませんので、煮物などには使えませんが、ハリハリ漬けなどで楽しめます。

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